| スギ花粉症は、年齢に関係なくある年から突然発症してしまうアレルギー性鼻炎の一種です。一度かかると自然に治ることは5%以下で、免疫の衰える70歳くらいまでクシャミ、鼻水、鼻づまり、目のかゆみといった症状が毎年2〜4月まで続きます。スギ花粉症とはスギの花粉に対する過剰な生体反応がその本態ですので、日常生活に支障がないようにコントロールするのが治療の目標です。このためには花粉が飛んで、症状が出てから治療したのでは本当は遅いのです。来年以降の春に備えて以下のような検査、治療を行いましょう。
●検査
アレルギー性鼻炎の原因を調べる(採血)
スギ花粉症の方でも、アレルギーの原因が純粋にスギだけとは限りません。むしろ、他の原因も合わせて持っている人(重複抗原)の方が多いのです。今は2〜4月しか症状がない方でも、将来、ハウスダストなどの通年性の症状も出てくることもあります。また、5月まで症状がある方は、ヒノキ、カモガヤなどの原因もある人です。採血により、各々の抗原に対する反応の強さも分かり、治療方針決定や予防の目安にもなります。この検査は、7種類の抗原を調べた場合3割負担で3500円ほどかかりますので、患者さんのご要望に応じて検査を行います。
副鼻腔炎(ちくのう症)の有無をしらべる(レンドゲン)
アレルギー性鼻炎がある人には、大人の約40%、子供の約60%に副鼻腔炎の合併があります。特に黄色や緑色など色のついた鼻水がある方、ほっぺたや目の内側が重い感じのする方はレンドゲン検査で副鼻腔炎の有無を確認しておく必要があります。副鼻腔炎があれば抗生物質の追加投与など治療内容が異なって来ますし、副鼻腔炎がよくならないと、アレルギー症状もよくならない傾向があるため同時に治療していく必要があります。
●治療
飲み薬、点鼻薬
飲み薬は花粉が飛び始めて症状が出てから使うよりも、花粉が飛ぶ前、症状が出る前からあらかじめ使い始めた方がはるかに効果的で、シーズンを通して症状が軽くなりますので、1月下旬ころから飲み始めるべきです。ぜひ、毎年その頃から当院にご相談ください。
注射
当院では、副作用の問題から一発で効くというステロイドホルモンの注射は一切行っていません。花粉症は季節的なものであり、時期が過ぎればおさまることから、症状が軽い方は飲み薬と点鼻薬で対処するのが一般的です。しかし、症状の強い方、どんな薬でも十分な効果が得られない方などには以下の注射がお勧めです。
1.ヒスタグロブリン注射(*ステロイドホルモン注射ではありません)
一時的に症状を抑える注射です。スギのシーズン中のみ7〜10日に1回、免疫の注射をする方法です。90%近くの人に有効です。体質改善の効果はなく、毎春注射が必要です。この薬は血液から抽出したものですが、もちろん加熱製剤で古くから世界各国で使用されています。
3割負担で1回750円です。
2.根本的に体質を変える注射(特異的減感作療法)
いわゆる体質改善治療といわれ、スギ花粉の飛散がない時期から、少しずつスギ花粉のエキスを注射し、自分で免疫を作る治療です。古くからある唯一根本的なアレルギー性鼻炎の治療法です。成功すれば一生花粉で悩むことはありません。症状の再発もきわめてまれです。ただし、数年にわたって継続的通院が必要なこと、稀ながら全身性のアナフィラキシー反応を起こすこと、スギ花粉に対しては成功率がやや低いこと(約50%)により、なかなか普及されなかった治療法ですが、他の治療では得られない完治が可能であるため、最近見直されてきている治療です。具体的には、週に1、2回の注射を約4,5ヶ月、以降は2週に1回を最低2年継続していきます。患者さんの根気が何より必要です。6歳から可能で妊婦さんにも施行できます。
ハウスダスト、ブタクサ、アルテルナリア(かび)に対するアレルギーのある方に対してもこの治療は施行可能です。
費用は3割負担で1回200円ほどです。
|